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CDT研究所
Creative Design &Technology Laboratory
〒393-0021
長野県諏訪郡下諏訪町7155-4
TEL:0266-27-6789

技術者の教育・育成内容

3. もの作りにおける計測の信頼性評価の考え方とその実践

計測はあらゆる技術分野で活用されていたにも関わらず、その信頼性(不確かさ)を表示する考え方と方法は各々の技術分野で異なっていて、統一された概念は存在していませんでした。1993年に計測の不確かさの国際的なガイドラインが制定されましたが、その難解さと煩雑さのために未だに十分に浸透しているとは云い難い状況です。しかしながら、現実の商取引では計測結果の信頼性の表示がますます要求されてきており、計測の不確かさ評価に対する理解とその実践が必要に迫られています。

(1)計測の信頼性(不確かさ)

従来の計測結果の信頼性評価の問題点と、新しい計測の不確かさ(曖昧さ)評価の概念について解説いたします。

  • 誤差・精度の概念

  • 不確かさとは何か

(2)計測の不確かさの原因

計測の不確かさは測定器によって定まるものではなく、測定に関係するすべての事柄が不確かさの発生の原因になります。これらの不確かさの発生の原因について、具体的に解説いたします。

  • 計測特性の適合性

  • 測定器の原理・構造

  • 測定器の校正方法

  • 測定器・測定物の変形

(3)計測の不確かさ評価の考え方

計測の不確かさを把握するための尺度(標準偏差)の基本的な意味合い、不確かさを推定する方式、および評価結果の表示について解り易く解説いたします。

  • 不確かさ評価のプロセス

  • 測定値の変動の予測

  • 不確かさの表示

(4)測定実験に基づく不確かさの評価事例

計測の不確かさは実験的に推定することができますが、もの作り現場の測定実験のやり方、およびその測定結果の解析方法について具体的に解説いたします。現場の実際の測定に即した実験のやり方が大切になります。

  • 不確かさの評価と測定法の改善

  • 測定器・測定法の優劣比較

(5)測定の数式モデルに基づく不確かさの評価事例

単純な測定システムに対しては、測定の数式モデルを作成することが可能であり、その中のパラメータの曖昧さを仮定して、計測の不確かさを予測することができます。この場合の基本的な考え方を具体例に基づいて解説いたします。

  • 数式モデルの構築

  • 技術資料の活用

(6)不確かさと計測システムの管理

もの作り現場における品質管理のためには、測定システムの不確かさを適切に推定して、その測定システムを維持管理しなければならないことは当然です。ところが、品質マネジメントシステムのISO9001とQS9000(USA)を統合した形で、ISO/TS16949をISO規格として制定することが予定されております。そこで、ISO/TS16949の中の計測管理システムとして活用されているMSA(Measurement Systems Analysis)の概要について解説いたします。

  • ISO/TS16949におけるMSAの考え方